サンフレッチェはJ1復帰を決めたわけですが、J2では、残る一つの自動昇格枠と入替戦枠をめぐって厳しい戦いが続いています。
現在(第40節終了後)の順位は次の通り。
チーム 勝点 得失点差
2位山形 65+20
3位仙台 62+16
4位湘南 59+20
5位鳥栖 58+2
6位大阪 57+15
2位山形から6位大阪までの勝点差が8。3位仙台となら5という状況で残り試合は5試合。鳥栖大阪が2位にはいるためには山形の失速が必要になってくるわけですが、今期のJ2は上位のチームが下位のチームに苦戦することは多々ありますのでチャンスがないわけではありません。事実、39節終了時に昇格圏である3位につけていた湘南は40節14位の熊本に敗れ、昇格圏から転落しています。
んで、次の41節が山場です。というのも41節は上位同士が直接対決するカードが多いのです。勝敗がダイレクトに順位にひびいてきます。具体的にはこう。
2位山形 VS 4位湘南
3位仙台 VS 6位大阪
6位鳥栖 VS 1位広島
6位以上のチームがすべて直接対決するなんてカードはちょっとありませんよね。ワクテカです。
自動昇格枠の2位につける山形は3位仙台に勝点差3、昇格圏から外れる4位の湘南には勝点差6をつける、もっともJ1に近いチームです。その山形は4位湘南との対決。山形はこの湘南戦を乗り切れば、残り4試合は下位のチームとの対戦になります。つまりは、この湘南戦の結果次第で、山形のJ1昇格の道筋が見えてきます。はたしてこの大事な試合に見事に勝利し、自身がJ1にふさわしいチームであるか証明するための大一番です。
39節終了時には4位だった仙台は40節で今期相性が悪い愛媛に苦しみながらも勝利し、湘南を抜き入替戦枠である3位につけました。この3位を失わないために、それ以上に自動昇格圏を目指すためにも勝ち続けたい仙台の相手は、前節鳥栖を4-1で撃破し、J1への望みをなんとかつないだ大阪です。仙台は、大阪戦後も今期圧倒的な強さを誇った広島、堅守の横浜、上位につける鳥栖、チーム結成以来の奮闘を見せた草津と厳しい戦いが続きます。しかし、一番の難敵であるはずの勝者広島を仙台は得意としており、ユアテックスタジアムで広島は勝ったことがありません。楽なわけではありませんが、悲観すべき状況でもないわけです。広島戦以降の勢いをつけるためにも、今節、最後の挑戦を続けている大阪に引導を渡す勝利が望まれます。今期の仙台は勝ちきれない試合が多く、引き分けが多いチームです。自身がJ1の舞台にふさわしいチームであることの証明を大阪戦で出来るかどうか。仙台にとって大事な一戦です。
前節下位の熊本に敗れ、入替戦枠から転がり落ちてしまった4位の湘南は2位山形との一戦になります。順調にいけば2位3位の直接対決となるはずだったのですが、この終盤にきての痛い敗戦からどうチームを立て直すのか、昇格圏を争うライバルの中でもっとも手強い山形を相手に、監督の手腕が問われます。湘南は、山形戦の後にも同じくライバルの大阪戦があります。その時点で大阪の状態がどうなっているかわかりませんが、もし昇格戦線に生き残っていたら、それは大阪が厳しい上位陣との連戦に勝利しチームとして最高の状態であることを意味します。もう湘南にはまさかの敗戦を喫する余裕はありません。自動昇格圏をねらうなら絶対に負けられない戦いがはじまっています。
5位の鳥栖は、前節大阪に敗れ一歩後退しました。3位仙台との勝点差は4であり、勝利数にして1勝以上の差がついてしまいました。鳥栖の最大の弱点は得失点差が上位陣の中で最小であるところです。つまり同じ勝点ではダメなのです。鳥栖が他のライバルを上回るためにはよそより勝点を1多く積まなければいけません。その鳥栖は今節J2王者の広島と戦うことになります。たとえ広島に敗れたとしてもすぐに終戦となるわけではありませんが、厳しいのは事実です。鳥栖は44節にも仙台との直接対決があり、残り試合は決して楽なものではありません。しかし、ライバルとの直接対決は、勝利すればそのまま相手の転落を意味するものであり、ライバル中下位にいる鳥栖にとってはチャンスでもあるのです。その直接対決に望みを残すためにも、広島戦は最悪最低でも勝点1、当然それ以上が望ましいわけです。広島は既に優勝を決めていることから、モチベーションの点では鳥栖が有利でしょうし、優勝した余裕から若手を試す方針のようです。大阪に完膚無きまでにたたきのめされた鳥栖が復活し、自分たちはJ1で戦うだけの力があると証明するには、広島戦での奮闘ほどぴったりなものはありません。
6位の大阪は、前節の鳥栖戦での勝利により首の皮一枚で昇格への望みをつなぎました。前節から大阪は鳥栖・仙台・甲府・湘南・草津と昇格を争うライバルとの直接対決、今シーズンJ2の有力チームとして闘ってきた中位のチームとの連戦が続きます。鳥栖戦次第では事実上の終戦となる可能性もありましたが、結果は4-1の快勝。天皇杯から変更したシステムが効いたのか、本来の攻撃力を発揮しました。大阪の残り試合はいずれも難敵でありますが、直接対決に勝利すれば、それはそのまま相手との立場の逆転を意味します。3位仙台との勝点差5,2位山形との差8の大阪には、安楽な道は残されていません。求められるのは勝利、ただ一つです。大阪の死闘は始まっています。
J2第41節をお見逃しなく。(地上波じゃまずやらないけどな)
しかしこうやってのんびり分析できるのも我らがサンフレッチェが既に優勝を決めているからであって。ああ、昨年の今頃とは大違い。あの頃は試合が終わる頃には胃がきりきりしてた。来年の今頃は、さすがに優勝を決めた安穏を味わうことは不可能だろうけど、降格の心配は二度としたくないね。できたら優勝争いで胃をきりきりさせたい。