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クチコミのチカラ

自分の購買行動を考えると、ネットをかなり頼りにしてるよな、と思う。
ちょっと高い買い物の場合、店頭で現物を確認→よさげなものを選定→帰宅後ネットで調べる。という行動パターンができあがっている。ま、ネットの評判がいいから即買うわけでもなく、ネットでの評判が悪いから買わないわけでもないんですが。たた、店の店員の説明だけではなくネットでの評判も一応チェックしないと損した気になるんですよね。気だけなんで、大した意味があるわけじゃないのですが。

あれか。知人が楽天で詐欺にマヌケにもひっかかり(秋葉原OG商会)、事の顛末を聞きゲラゲラと一通り笑ったあとで、なんでそんなとこで買うたんと聞くと安かったからまあいいかというのと、騙されたら日記のネタになると思ったと自嘲気味につぶやいたものでした。

総表現社会とかなんとかよくわからん社会が訪れてからこっち、ひどい商品をつかまされたショックから立ち直る方法として、友達にグチるという以外に個人サイトでネタにするというのもあるのか。

まあ、気持ちはわからんでもない。物を買って、しまったと思うのは自分で、悔しいのも当然自分だ。いろいろと後悔する。やはりもう一つの商品の方にすればよかったか、もっとしっかり店員に聞いていれば、もうちょっと冷静になれていれば普段こんなもん使わないのはガキでもわかるだろうに等々。そういった後悔の中に、買う前にネットで調べておけば、というのが加わったのだ。必須ぐらいに。
ある程度の対価が必要となる商品の購入時には、あとで後悔したくない納得して購入したい、という気持ちが非常に強い。だから、ネットのクチコミを調べるのは、自分自身を納得させてすっきり買い物したいからというのもあるよな。
もちろん、これは私の話で、店員やカタログなんかよりネットのクチコミ最強と信じている人もいるだろう。私だって、まったくネットのクチコミを信用していないのなら、自分自身を納得させるための材料なんかにはしない。

そういったネットのクチコミをマーケティングにどう生かしていくか、というのが本書のテーマ。
80年代と現在の消費者の購買行動の違いをあまりにもわかりやすすぎる例題で示し、ネットのクチコミを語る時には非常に有名な波乗りジョニーを紹介する。ネットに対して懐疑的な人にプレゼンする際にそのまま使えそうな入りだ。
次に具体例として、デジャヴュ ファイバーウィッグと、そのクチコミの現場として@COSMEを紹介する。広告が非常に重要な化粧品だけに、成功例として説得力がある。
ネットのクチコミの力を説明した後は、ネットのクチコミのメカニズムを解説する。影響力のあるクチコミの発信者「インフルエンサー」を中心に、クチコミが広がっていく課程と効果が述べられていく。ケーススタディとしてあげられているのはSONYのVAIO type Uだ。これが出たとき私もつい買おうかなーと思ってしまった一品。かっこいいんだよね。SONYはマーケティングがすごい起業だと思うのだけど、taype Uを売り出すときにどれだけネットでのクチコミを意識していて、どういう施策を行っていたのか。PC等のデジモノはネットとの相性が良い。ブロガーに対してのプレゼンテーションを開く、担当者がblogでtype Uについて書き情報提供を行う。その内容がブロガーの興味を引くものであれば、自身のブログで記事にし、その記事を見たブロガーがさらに記事にするという連鎖がおこる。これがネットのクチコミの威力である。

ネットに興味がある人なら誰が読んでもおもしろいだろうが、一番の良い読み手は、うちもいい加減ネットでの広報活動に本腰を入れたいな、と悩んでいる担当者だと思う。


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