![]() | へうげもの 3 (3) 山田 芳裕 (2006/08/23) 講談社 この商品の詳細を見る |
へうげもの3巻を読む。
なんとなく前巻までの勢いがないな。と感じていたら同様の感想が
「へうげもの 3」 山田芳裕
なるほど。確かに長益の立ち位置に左介がいたらもっとすっきりとしていたかもしれない。ま、すっきりとするのが良いわけではないけど。
逆説の日本史13巻とともに英傑の日本史を読む。簡単に読めるのでいいね、このシリーズは。
主から天下を奪い取ったという点においては秀吉も家康も同じなのに、こうも評判が違うのは何故か、という視点はおもしろい。確かに。以下英傑の日本史から参考に。本が手元にないので原文わかりません。
正直この本読むまで秀吉が織田信孝とその母(つまり信長の妻)を殺しているのを知らなかった。まあ、信孝は信雄に殺させた格好だけど。が母の方は秀吉が信孝(と自分に反対する者)への見せしめとして殺している。
豊臣家から天下を奪った家康のイメージが最悪なのに対して秀吉がそこまででないのは確かに不思議だ。秀吉の人たらしの才覚によるのか豊臣家が無念にも滅びてしまったからなのか。
へうげものの家康は人格者でそれこそサムライと呼ぶべき人物になっていて、たいてい狸爺のイメージで登場する従来の家康像とはほど遠い。しかし、あんがい当たっているのかもしれない。
関ヶ原前に大谷吉継が石田三成に「君は態度が横柄なのでみんなから嫌われているが、一方家康殿は、天下にならぶ者はいないほどのお方なのに下々の者に対しても腰が低く、慕われている。とてもかなうわけがない」云々のことを言うてるみたいで、外面上非常にいい人だったらしい。まあ、このころは家康晩年の話なので老獪家康としての処世術だったのかもしれないが。
後、信長への忠義というのも本当のように思える。快進撃を続ける信長とは対照的に武田の猛攻を耐えしのぐ役割だった織田との同盟は、そこまでうまみのあるものではなかっただろうに最後まで裏切ることはなかった。
単純に狸爺家康イメージで家康全てを語るのは難しいのかも。ただへうげものの家康が完璧とはとうてい。あそこまで人を信じられる人だとはとうてい……家康の幼少期を考えると。うーん、やっぱり嫌な奴家康像が一番なのか。むー。