部屋の片づけ中に懐かしいものを発見。 もっとも、この本を見つけるまで、その本自体の存在を忘れていたのだが。。。 ‥‥表紙を見た瞬間に全てを思い出してしまったのだ。
『60年代傑作集 マンガ黄金時代』文春文庫 1986年
誰が買ったのかは知らないのだが(たぶん親だろう)子供のころに読んで衝撃を受けたものだ。 なにかこうぉ、子供の読むマンガじゃない、というのが子供のころの私の感想だった。 なにか視てはいけないものを視てしまったような‥‥ 背徳的なおもしろさがそこにはあった。
60年代の短編マンガを集めたものなのだが、内容がとにかくすごい。 白土三平『傀儡がえし』石森章太郎『春の宵』青柳祐介『いきぬき』辰巳ヨシヒロ『さそり』つくたくにこ『六の宮姫子の悲劇』樹村みのり『おとうと』高信太郎『ホモ太郎』宮谷一彦『ライク ア ローリング ストーン』川本コオ『すっぱい季節』赤塚不二夫『天才バカボンのおやじ 怪僧ケツプーチンなのだ』真崎守『情炎のぶつぎり』水木しげる『テレビくん』日野日出志『赤い花』永島慎二『青春裁判』谷岡ヤスジ『ヤスジのメッタメタガキ道講座』つげ忠男『河童の居る川』山松ゆうきち『一六ばあさん』村野守美『宿の螢り』赤瀬川原平『お座敷』藤子不二雄『ひっとらあ伯父サン』つげ義春『ほんやら洞のべんさん』山上たつひこ『ゼンマイ仕掛けのまくわうり』楠勝平『おせん』手塚治虫『ジョーを訪ねた男』等々
どれも内容をいちいち説明して、書評を書きたい作品ばかりだ。 まあ、この面子なら当然か。
私はガロ系のマンガとは無縁の人生を送ってきたと思っていたのだが、実はそうではなかった。 ちゃんと、子供のころに触れてしまっていたのだ。
発見して即むさぼるように読んだのだが、話のはじめにふれただけで内容を全て思い出してしまうのはどうだ。 このマンガたちは、表面上は忘れていたとしても、私のなかに住みついていたのだ。
なんてことだ。
そりゃあ、同世代の人達とマンガの趣味が合わないはずだよ。
あぁ、今日全てわかったよ。 全て思いだしたよ。
ガキのころ、このマンガたちに触れたことは幸福なことなのだろか、それとも