うーん。
フランカの過去、ピノッキオの過去。また今回フランカをとらえようとする公安側の人間。全員が過去に傷を負い、それがテロという事象に関わる理由と描かれているのですが、だからといって彼ら彼女らのやっていることの正当化にはならんと思うのだけど。
たとえ末端の人間であっても、こういう世界には政治的人間もいれば、もっと個人的な理由(食うためとか他に行き場がないとかね)で存在している者もいると思うのですけどね。
ジョゼとジャンという中心人物の行動原理が復讐っぽいので、物語の構成原理もそうなるのはしょうがない面があるか。やはり攻殻機動隊ほどの完成度を持った話というのはなかなか。
まあ、この話は裏の世界の話を描くのが主眼ではなく、銃と少女っていう絵が主眼なわけだから、大きなお世話なんだろうけど。
それにしても、これまで自分の在り方にかなり自覚的だったトリエラに、こういう顔をさせてしまう作者ってのは邪悪だね。
ま、それがこの物語の一番の売りなんで、そのこと自体はどうともいわんけど。