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読書灯

携帯用に読書灯を一個持っている。
これがなかなか良い。

わたしの職場では、昼は環境のため電気を落とすのだが、昼は格好の読書時間でもある。その時役に立つのが読書灯だ。
小さな灯りであるが、REDランプは読書するには充分なのだ。

読書家の便利アイテムその一
読書灯
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前田建設ファンタジー営業部

燃えるオトコの工作機械っ!



前田建設工業株式会社。
実在の土建会社である。
これは、その実在の土建会社の一部門のプロジェクトを綴った記録である。
その部門の名は、前田建設ファンタジー営業部。冗談ではない、ホントにあるのだ、そんなふざけた^^名前の部門が。
そこでは、いったいなにがおこなわれているのかぁっ

A.マジンガーZの格納庫や銀河鉄道999の高架橋を造ってます。
って、なんじゃそりゃぁぁぁ。


B主任 さて!! ビデオも見たことだし、結局どんな物を造らにゃいかんか、気付いた点をどんどん挙げてや。みんなでブレーン・ストーミング、たのむわ。
C主任 ブレ・ストか。
D職員 ?……ブレスト……!
[全員] ブレストファイアァアアアー!!
A部長 (飛んで来て)まじめにやれ!!


前田建設ファンタジー営業部
前田建設工業株式会社

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バカだなあ、というのがだいいちに思ったかんそー
もちろんホメ言葉である(そうかぁ?

もちろん、要は企業の広報活動である。あるが、こんな広報活動誰かが思いついても、ふつうやらない。
良く実現できたなぁ、っていのう畏怖の念を、会社人ならまず第一に思うのではないだろうか。
このプロジェクト自体がひとくぎりしたら、そこらへんを含めた全体の総括本を誰かに書いてもらいたいぞ。絶対に買うから。

バカプロジェクトXとは、よく言ったもので、いい大人がマジメにバカをする、っていうのがかっこわるくてかっこいいスタイルの基本だが、それが実在のゼネコンの正規の仕事でするとは、誰が考えたであろうか。


本書は、会社からの密命を受けた前田建設ファンタジー営業部が光子力研究所の弓教授からマジンガーZの地下格納庫一式工事を受注するところからはじまる。
原作に忠実であろうと、『マジーィン・ゴォーッ!と叫ぶと格納庫が開くのか・・・だとすると音声認識装置をつけないといけない。専門の業者さんとの打ち合わせが必要だな』とか、『アニメの放送話ごとに格納庫の大きさも形も違いますが、どれを基準に考えればいいんでしょうか?』など、理不尽な空想科学モノ設定に苦しめられ、果敢に現実の土建屋として現実的に対処する姿は感動的でもある。
だから、本書ではバックホウや削孔機、クレーン車などの働く機械や地中を掘るシールドなどの工作機械の説明や実際には掘削より残土処分のほうが費用がかかる・中央で割れる汚水処理場(マジンガーがせり上がってくるところは実はプールではなく汚水処理場だったのだ)の底は、水圧の関係で真ん中が低いより真ん中が高くなっている方がいいなど、現実の土木建設技術を駆使したアイデア話がもりだくさんになっている。

読んでいて非常におもしろいし、素人にもわかりやすいよう説明に気をつかっているのがわかるのも好評価だ。注釈なども、この手の本にしては豊富。
プロジェクトの狙い通り、建設会社の仕事というものがどういうものか、というのが楽しく知ることができる本になっている。

近年まれに見る良プロジェクト本。ぜひ読むべし。


ちなみにマジンガーZの地下格納庫一式工事は予算七十二億円、工期六年五ヶ月でできるそうだ。