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夕凪の街 桜の国

後日、ちゃんとした書評を書きたい、と思わせる本。
夕凪の街桜の国
こうの 史代
双葉社 2004-10


by G-Tools

『ヒロシマ』を経験した者にとっても原爆とは、ふとした時に思いつくくらいのモノになってしまったと思う。
自分の祖父や祖母が実際に被爆者だったりするのにだ。

唯一の被爆国。長崎とともに、被爆地として世界に平和の鐘をならす。
世界でも、通じる都市名『ヒロシマ』

それが当たり前になりすぎたのかもしれない。
現在、被爆者は国の手厚い保護政策により、医療費はかからず、健康管理手当などの手当金もある。昔は被爆者と見られるのがイヤで、被爆者手帳を申請するのを恐ろしがっていたのが、今では医療費がタダになるからと申請をし、却下されればなぜかと無念がる。
もはや、被爆者も高齢化し、その死因が高齢によるものか、被爆が原因なのかもわからない。
もはや、原爆は過去のモノになりはてた。原爆を声高々に歌い上げるのは、平和教育大好きな教師か運動家だけ、という感覚が若い世代にはあるように感じてしまう。

しかし、比治山にある研究所には、被爆者の診断記録が今も集められ、アメリカに送られている。
おそらく原爆被爆者の二世に対する政策が近々本格化するだろう。二世自身の国の保護を求める心と、原爆の効果を研究しようとする思惑がかさなって・・・・・・

平和公園を通るとき、本通りを通るとき、ふと思うのだ。
六十年前はこの地は、地獄だったのだと。

だが、それだけだ。
今は、本通りに多くの店が建ち並び、平和公園には外国人観光客と年々減っている修学旅行生がやってくるだけだ。
次の瞬間には、ただ今の豊かで生ぬるい今を生きている。

多くの死体の上を歩きながら。



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